録画しておいたフランス映画を見る。
金持ちの家の金庫を破って逃亡した、金庫工場の工員のロベール・オッセンは、道路で故障中のトラックを直したことから、その車の持ち主で、田舎の峠のドライブ・インの親父トーマと意気投合し、そこで働くことになる。
そこには、ひどく若くて色気過剰な若い妻マリエがいて、彼女は夫の金を目当てに結婚した。
オッセンが、錠前工で殺人犯なことを知った彼女は、彼を脅して金庫を開けさせる。
そこに夫が戻って来る。
トーマは、うすうす知っていたが、なぜかオッセンと気が合い、二人で上手くやっていこうとしていたのである。
この辺は、男の友情。
だが、金にしか目のない若妻は、そこから出たくて仕方がなく、夫と争い、彼を射殺してしまう。
そこからは急展開になり、警察が来たり、男の前妻の兄と息子が脅迫に来るが、それもオッセンは殺すが、自分も撃たれて負傷する。
そこにオッセンと一緒に犯行を行った仲間の若いポールが来る。
二枚目の彼とマリエは、すぐにできてしまい、一緒に逃げようとする。
金庫の金を持ってポールと妻は逃亡するが、警察に追われて戻って来て、ガソリン・スタンドにぶつかって炎上してしまう。
原作がハードボイルド作家のジェームス・ハドリー・チェイスで、オッセンの周辺の人間が、ほとんど悪人、オッセンも善人ではないが。
だが、オッセンとジョルジュ・ウィルソンが演じる男との間の友情が良くて泣ける。
ハードボイルド作品は、男同士の友情、かなりホモ・セクシュアルくさい関係がよくあり、その意味では女性蔑視なことが多い。
ここでも若妻は、下層階級の出身で、男に色目ばかり使う、嘘つき女になっている。
音楽がジョルジュ・ドリューで、これも抒情的。
監督がジュリアン・デュビビエで、デュビビエは私が苦手な「おフランス」の文芸映画監督と思っていたら、こういうのも作っていたとは初めて知った。
彼は、日本で言えば、マキノ雅弘や舛田利雄のような職人監督というべきなのか。
衛星劇場