「児玉さん、あなたの方がやめればよかったのにねぇ」

今週亡くなり、話題となっている児玉清が北川町子と結婚したとき、北川を可愛がっていた賀原夏子が児玉に対して言った言葉である。

児玉清も、テレビ界に転向して有名になったが、東宝時代は端役というよりも、ほとんど大部屋俳優だった。
夏木陽介、星由里子主演、恩地日出夫の監督デビュー作に『若い狼』があり、これに児玉も出ている。
だが、児玉は、最後に新宿で夏木の最後を目撃する通行人であり、台詞は一切ない。
また、記録では『サラリーマン清水港』や『続・サラリーマン清水港』にも出ていることになっているが、見ると実際は出ていない。
多分、撮影したが、映画の最終的な長さが予定よりも長くなったので、公開時にはカットされてしまったのに違いない。

それに対し北川町子は、かなり美人で、どんな役でもできる器用な女優として、多くの作品に出ていた。
それで冒頭の賀原の言葉となったのである。

こうした当時多く言われたであろう言葉に対し、児玉清が発奮し、北川町子を遥かに上回るタレントになったのは、やはり立派なことである。
ご冥福をお祈りしたい。

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コメント

  1. なご壱 より:

    児玉清
    児玉清さんの主役に近い出演映画は、松本清張原作の東宝作品「黒い画集 ある遭難」があります。