秋田のシェールオイル騒ぎで、石油資源開発㈱の名が出ている。
「そんな会社があるの」と聞いたのは私も同じで、1991年春に横浜市から、財団法人国際貿易研修センターに英語の研修で派遣されたときのことである。
そこには、多くの石油や鉱山会社から職員が語学研修に派遣されていたが、2人来ていたのが、石油資源開発㈱だった。
同社は、言うまでもなく政府、実際は石油公団によって設立された特殊会社で、日本で最大の石油資源開発をやっている会社なのである。
そして、同社のみならず、20社近くある日本の石油資源探査会社は、世界中で油田の試掘を行っている。
だが、石油は石油メジャーによって有望な場所は掘り尽くされているので、なかなか良い油田は見つからない。
今一番有力な地域は、中国のチベットだそうだが、そこからパイプ・ラインを引くのが大変で実用化できないとのこと。
インド側に持って行けば良いが、ヒマラヤ山脈があり、インドと中国には国境紛争もある。
中国がチベット独立を許さないのも、石油の性だとの説もある。
そして、石油を試掘して運良く出たときは、採掘等は会社の負担になるが、ダメだったときは、それにかかった費用の全額は、石油公団、そして財政投融資によって補填されるのだそうである。
石油資源開発㈱から来ていた人のうち、Oさんというのが大変に変わった人だった。
確か三重県の出身で、お兄さんは弁護士をされていて、彼も東大法学部出身なのだが、法律には疎い人だったのである。
私のようなろくに法律を知らない者でも知っていることも、ご存知ないのである。
その代わりというか、大変英語に堪能な方で、よく英語のペイパーバックを読んでいて、研修所に来ての最初のテストのとき、すでにTOEIC800を越えていて、皆「何のために来たの」と思ったくらいだった。
会社では、文書課に勤務されているとのことで、多分海外との契約書との事務を担当しているのだろう、語学ができないと務まらないところである。
その後、イギリスに転勤されていたこともあるが、今は国内に戻っておられるようだ。
日本のエネルギー問題の解決のため、是非石油資源開発㈱には活躍して欲しいものである。