横浜並木男声合唱団は、金沢区並木に住む男性23人によって1994年に結成されたもので、現在は約50人で、常任指揮者に吉田千鶴子氏を迎え、活発な活動をされているようだ。
友人の山岸さんから券を頂いたので久しぶりにみなとみらいホールに行くが、桜木町からの通りは相変わらずの大変な人出。
平均年齢66歳ということで、この間、皆さん、職場やご家庭でご苦労されたことだろうと思う。
長いあいだご苦労様でした。
第二の人生では、大いに好きなことをやるべきで、誰になんと言われようと、やりたいことをやるのが一番である。
それまでの間に、社会や家庭や他人には十分に奉仕して来たはずなのだから。
構成は4部に分かれていて、最初は
1 詩のの美しさに泣く「YOU」 で、
詩人更科源蔵の詩に廣瀬良平が曲をつけた、北海道の自然を歌い上げた曲。
広瀬良平は、現代音楽の作曲家なので、かなり複雑で斬新なコード進行があり、少々苦しそうに聴こえた。
私の前の席の中年の女性は、幼児が騒いでいることが不快のようだったが、こういう地域のグループのコンサートでは仕方のないことである。
ただ、こどものを預かるコーナーを作ることは必要だろうが。
その内に、不愉快さを示していた女性も、じっくりと睡眠されていた。
2 ハーモニーの響きを「聴くYOU」 は、椰子の実をはじめ、比較的普通の合唱曲なので、言葉はよく聞き取れた。
休憩中に、山岸さんから昨日の渋谷のザ・チーフタンズのコンサートについていろいろとお聞きする。
やはり、伝統音楽は基本的に同じなので、どう変化を付けるかに彼らは工夫しているとのこと。
3 元気な花が「咲くYOU」 で、ビゼーの歌劇『カルメン』の抜粋である。
『カルメン』は、昔宝塚で何度か見たことがあるが、名作は筋や役がしっかりしているので、プロでなくとも結構サマになるのはすごい。
吉田千鶴子のワン・ウーマンショーでもあるが、さすがにビゼーの名曲は美しく、また喜劇的演出があり、一番楽しかった。
変な言い方になるが、大正時代の「浅草オペラ」のオペレッタの音楽的レベルは、現存のSP音源から想像して、この男声合唱団よりもはるかに下だと思う。
その位、日本の音楽的レベルは向上したが、一番の理由は、間違いなくカラオケの普及だろう。
それにしてもビゼーの曲は、スペインの舞曲や、当時世界的に流行していたキューバのハバネラを使うなど、ワールド・ミュージック的であり、面白い。
クラシックでは、ビゼーとマーラーがもっともワールド・ミュージック的に思える。
最後は、おちかね「阿久 YOU」 のヒットメロデイー
なんとも懐かしい曲だなと思う。
昔、阿久悠の新書本を読んだことがあり、「新聞の朝刊を読んで、詩の一つもできなくては作詞家にはなれない」とあったのをよく憶えている。
職業的作詞家と言うのは、そういうものだろうと納得した
川崎のクラブ・チッタにジェファーソン・スターシップを見に行くという山岸さんと別れて家に戻る。
大相撲秋場所の白鵬の優勝が決まる。
横浜みなとみらいホール