大森のキネカで、ロバート・アルドリッチ監督の『合衆国最後の日』と『カルフォルニア・ドールズ』を見る。
アルドリッチは、アクション映画を始めなんでも撮る監督で、日本で言えば舛田利雄みたいな人である。
『合衆国最後の日』は、元軍人のバート・ランカスターが、軍の腐敗、不正を正確に国民に発表しろとミサイル基地を乗取り、大統領府を脅すもの。
最後は書けないが、極めてアメリカ的な解決であり、その理想的な正義感には感心した。
大統領役のチャールス・ダニングが、ビル・クリントン元大統領にそっくりなのがおかしい。
『カルフォルニア・ドールズ』は、女子レスリングの2人のタッグ・チームを率いるマネージャーのピーター・フォークの話。
ドサ回りから農業祭の余興の泥レス、大都市の巡業から最後はネバダ州のリノのホテルでのチャンピオンへの挑戦で勝利するまで。
最初の試合で日本人タッグが出てくるが、これがミミ萩原とジャンボ堀。芸者というリングネームだからあまり愉快ではないが。
ドールズの二人の女性は、ルックスも悪くないが、試合が本当に戦っているように上手くて迫力があるのには感心した。
オーディションで、レスリングのできる女優を探し、入念に訓練したのだろうか、アメリカ映画のすごいところである。
スペイン系のタッグ、トレドの虎にドールズは、ピーター・フォークのあの手、この手の手腕で勝つ。
ふてくされるトレドの虎の二人に、ベテランの黒人マネージャーは言う。
「勝ったドールズにおめでとうと言うんだ」
そして4人はきれいに握手する。
これまたきわめてアメリカ的な理想主義であり、感動した。
キネカ大森