相撲が好きだというと大抵怪訝な顔をされるが、日本のスポーツの原点は、大相撲だと思う。
日本の野球が、やたらに投球に時間を取り、間をとって投げるのも、相撲の仕切りの感覚だと思う。
アメリカの大リーグの野球に、日本的な「間」は存在しない。
だが、相撲の仕切りの間に、相手と対峙しているのは実に面白く、観客の想像力を刺激する。
その性か、日本に興味のある英米人の多くは相撲好きである。ポール・マッカトニーに至っては、懸賞を出したくらいだ。
さて、今場所は贔屓の琴奨菊が好成績だったので、気分が良かったが、最後の15日目に豪栄道にあっさりと負けて初優勝の期待は外れた。
予想通りだが、最初琴奨菊が、立ち合いで早く突っかけて、間合いが合わず、仕切り直しとなる。
「これはまずい」と思うと二度目の立合いは、気分が集中して居らず、豪栄道に受け止められて負けた。
でも、豪栄道も大関になるらしいので、一応満足した。
なぜなら、豪栄道も琴奨菊と同様の、相撲取り顔で、言ってみれば「ブス男」だからである。
遠藤のように色男が、同時に力持ちでは、やりきれないではないか。
どちらかと言えば、白鳳もいい男で、これも悔しい理由でもある。
以前は、白鳳は好きな方の力士だったが、最近は少し考えを変えている。
この男は、普段は優等生のくせに、裏に廻るとワルの連中と大して変わらないことをしている学生が中学校にいたが、それに近いのではないかと。
なにをしても俺に文句を言う人間は存在しないという態度が目につくのも嫌なのである。
ともかく強いのだから仕方がないのだが。