『坂本龍馬』

今日、多くの政治家など、世に何かをなそうとする志を持つ若者らが、必ず尊敬する人物として挙げられるのが坂本龍馬だが、1928年の製作であり、多分最も早い坂本龍馬映画にちがいない。


主演は阪東妻三郎だが、製作も阪妻プロで、脚本は冬島泰三、監督は枝正義郎である。もちろんサイレント映画で、松田春翠の解説付き。
禁門の変で、幕府と薩摩藩に撃破され、薩摩憎しの長州藩だが、それを日本国の利益のためと言って長州を説いて、薩長連合をなす坂本の演説から始まる。
そして、土佐藩の重臣となった後藤象二郎を説得して、幕府に大政奉還を行うように口説く。
大政奉還がなった1月後、京都の近江屋で坂本は、中岡慎太郎と共に、仇敵と付け狙っていた佐々木只三郎らよって斬り殺される。
このラストシーンは、後に大映ができたときの記念映画『維新の曲』でも、再び龍馬を演じた阪妻によってもっと濃厚に演じられる。

筋がどこまで本当かは不明だが、阪妻の顔の立派さ、演技の大きさ、力が漲っていることは相当にひどい画面からも理解できる。
やはり、日本映画史上最大の男優は、阪東妻三郎だろう。
衛星劇場

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