本日のコニカラーは、俳優座の劇『森は生きている』
ソ連の民話の劇化で、俳優座で児童劇として上演されてヒットしたもので、それの映画化というよりも、舞台のものをそのまま映像にしたという感じで、映画的な照明もなく、俳優のメークが舞台のものなので、顔が誰だかよくわからなかった。
話は、わがままな女王(宮崎恭子)が、12月31日に、春の花のマツユキ草を持って来いと部下に命じると、国中にその命が行き渡る。
宮崎は、言うまでもなく仲代達也と結婚し、後には陶巴の名で作・演出をし、仲代と無名塾を作った女性である。
ある村に強欲な母親がいて、これが岸輝子、その娘は牧よし子で、いじわるな二人は、まま娘の安田チエ子を森に出して花を探させる。
森で、心の正しい娘に同情し、1月から12月までの神々が協力して、娘に花を授けてくれる。
それを持って欲張り婆と娘はお城に行き、女王に会う。
定石通りの展開があり、悪者の仕業は暴かれ、良い娘は美しく変身し、最後は幸福を得る。
と同時に、わがままな女王も、大きなことを学ぶ。
製作は俳優座と近代映画協会で、撮影は前田実、美術は平川透徹と旧独立プロ系で、スタジオは調布撮影所を使用している。
監督の木村荘十二は、戦前はプロキノからPCLを経て、満映にいた人で、戦後は中国で映画の指導をしていたので、帰国が遅れ、これが戦後の1作目となった人である。
音楽は林光で、彼の劇音楽の初期の代表作である。
さて、主役の娘安田チエ子を家に戻ってネットで調べてみると、なんと荒砂ゆきとある。
日活ロマンポルノにも出た荒砂であるとは驚いた。
俳優座から劇団四季、ラジオのDJなどをやった後、荒砂ゆきの名で、セクシー女優になったらしい。
因みに荒砂とは、アレサ・フランクリンからとったとのこと、昔ラジオで言っていた。