先日、横浜市会議長あてに陳情書を出したのだが、今定例会は2月6日までに提出された分については委員会に付託し、審査するが、「あなたのは2月16日に付いたので付託審査できず、預かっておくこともできないので返送します」との連絡があった。
普通は、その定例会で付託・審査されなくても、次の議会に、となるのだが、今年は4月に統一地方選があり、議員の任期も4月29日までなので、この間に結論の出なかった案件はすべて廃案なのである。
6日までに出したところで、任期満了では当然決論は出ず、次の新たな構成の議会で審査いただくとなるのだから同じことだったのだが。
いずれにしても、また4月30日以降に出すことにしよう。
内容は、以下の通りの横浜市役所の跡地の再利用についてである。
陳 情 書
平成27年2月15日
横浜市会議長 佐藤裕文 様
県・市協力で横浜市役所跡の整備を進める会
代表 指田 文夫
横浜市役所跡地再利用及び神奈川県立図書館の移転について
1 横浜市庁舎移転後の再利用について
1959年に建設された中区港町の横浜市役所については、2020年までに中区北仲通に移転されることになっております。しかし、その横浜市役所跡の利用については、現在のところ横浜市はまだ外部には明確な計画を出されていないときいております。
そこで、横浜市役所移転後の関内地区の活性化、横浜市全体の文化・芸術・教育の充実・発展の観点から、ここに現在市内西区紅葉丘にあり、再整備が計画されている神奈川県立図書館を移転させることが一番に望ましいことだとと考えております。さらに、内・外の専門学校、専修学校等を誘致されれば、さらに有効な跡地利用となると思います。
こうした教育機関は、若者が対象で、東京都の活力の一つにこれらの学生の存在があり、横浜でも神奈川区六角橋や、金沢区金沢八景には、横浜市の中でも独特の雰囲気と活気があり、商店街も大変賑わっています。それは六角橋には神奈川大学が、金沢八景には横浜市立大学、関東学院大学があり、多くの若者がいるからであることは明らかです。学生は、消費者であり、しかも数年毎で入れ替ることから、地域にとっては永遠に消尽しない顧客層なのです。
そうした教育・文化機関の中核として県立図書館があるのは、大変に有意義なことであり、経営第一で自己施設としての図書館整備までに手が回らない専門学校には大変効率的であり、若者の利用が促進されることは図書館にとっても大きな意義があり、相互の有機的な連携が期待できるものです。
また、専門学校にとって、横浜港を初め、みなとみらい21、さらに山下公園や中華街にも近い関内という場所は、最高のイメージを生徒や父兄に与えるエリアであり、本来的に「イメージ産業」である学校にとって最大の売りとなり、全国からの生徒の集客に大いに寄与することが期待できます。専門学校が必要とする床面積は、規模によって異なりますが、おおむね1,000㎡程度なので、複数を入居させることも可能となります。
2 神奈川県立図書館について
市内西区紅葉丘にある神奈川県立図書館は、1954年11月の開館以来、県内公共図書館の中心として大きな役割を果たしてきました。しかし、2012年11月県教育委員会及び財政当局の「緊急財政対策」の一環として、「館内利用はやめ、県下の市町村図書館を通しての貸出に特化する」との計画が出された。これについては、県下市町村図書館の反対はもとより、全国の図書館関係者の間でも大きな問題となり、県内に於いては、「神奈川県の県立図書館を考える会(代表岡本真)」が、シンポジウムなどを開催し、幾つかの提案も行ってきました。
そして2013年12月の県議会本会議で、黒岩知事は、「県立図書館の閉館」は取り消すとの方針が示されたが、今後については、どのようになるのかは、未だ不明な状況にあります。
ここにおいて、私達は、現在西区紅葉丘の神奈川県立図書館を現在の場所から移転し、中区港町に所在し、2020年には中区北仲通りに移転することが決定されている、現横浜市役所の跡に神奈川県立図書館を移転・設置することを提案するものです。
その理由の第一は、紅葉丘に県立図書館が所在することは、図書館利用者の中でも多い高齢者にとっては、自力歩行であの高い丘まで登って行くことは大変な労苦が必要であります。それがJRと市営地下鉄の二つの関内駅のすぐ近くにあり、市内のバス路線も多数通過している関内地区に所在すれば、高齢者や障害者にとっても大変使用しやすい施設となり、利用向上に大変寄与するからです。老朽化が進んだ現県立図書館を再整備することは費用の無駄であり、それよりもすでに耐震工事も終了している現横浜市役所に移転、入居した方が経済的で、横浜市にとっても有効な再利用というメリットとなります。若者と高齢者が利用すれば、関内地区の活性化の観点からも有効でしょう。現在の県立図書館の床面積(約15,000㎡)と、横浜市役所本庁舎部分の床面積(約18,000㎡)を比較したと床面積の余剰が生じるので、それについては、上記のとおり専門学校の誘致・入居を考えることとすれば良いでしょう。
3 財産処理と跡地利用
現在西区紅葉丘にある県立図書館の横浜市役所跡への移転にあたっては、財産処理が必要となります。
最も簡単なのは、紅葉丘の土地を民間に売却し、その売却益で、市役所跡の底地分と地上権分を取得することですが、神奈川県は県有財産の処理について、公共団体との間では交換以外の方法は取らないと推測されるので、相互の財産の交換で、旧横浜市役所の当該底地部分と床面積部分を県に与え、市は市内の元県立高校などの県所有で現在は使われていない土地を取得し、福祉や子育てなどの施設の底地にすることが考えられると思う。
4 横浜市役所・市会棟部分の再利用について
さらに、本庁舎部分につながっている市会棟部分(約3,000㎡)についても、本庁舎に関連した施設として、再利用することが良いでしょう。
横浜市会棟は全体として、現状をさして変えることなく、そのまま「文化・芸術センター」(仮称みなとまち文化センター)として、中劇場、ギャラリー、稽古場、会議室、資料室、倉庫などに利用することが最適と思います。
まずは、本庁舎部分に入居した専門学校等の生徒・教員等による研究、発表の場を中心に、広く市民の創作活動、発表、研鑚の場としていく。
現在の市会の本会議場は、そのまま中劇場に転用することができ、他の会議室は小ホール、稽古場、会議・打合せのスペースとして活用でます。
また、4階の市会大会議室は、ギャラリーとし、本庁舎部分とつなぐ回廊の屋上は、室内から直接に屋外へに出られるカフェ、飲食スペースとして、民間事業者に貸出すこともできるでしょう。
どうか私たちの陳情の趣旨をご理解いただき、横浜市庁舎と県立図書館の整備を有効に進められることをお願いする次第です。
なお、昨年12月に、別紙の陳情書を神奈川県議会議長あてに提出しております。