もちろん、大学時代に見ているが、その後はビデオでしか見ていないので、久しぶりに見に行くことにする。
話は、繁華街で遊んだ帰りに車を拾う遊びをしている女子高生の桑野みゆきが、山茶花究にホテルに連れ込まれそうになったとき、大学生の川津祐介に救われる。
その後、付き合いはじめ、川津のアパートで同棲するようになり、家出して次第に不良になっていく。
それと姉の久我美子、大学時代の恋人渡辺文雄らとの青春が対比される。
以前、シナリオを読んだことがあり、非常につまらないと思ったが、フィルムで見るとスピード感と爽快さがあって面白い。
川又昂の撮影の良さとたぶんモリハナエだった衣装の色彩の鮮やかさで、少しも薄汚れた感じがない。
ラストの川津と桑野が分かれる道路際の撮影は、新宿南口でなされており、今はサザン口となっているところである。
この映画は、桑野・川津と久我・渡辺の世代的な対立として解釈されてきたが、今日見て違うと思った。
桑野・川津コンビは、日活の石原兄弟の『狂った果実』以下の太陽族映画の連中のことであり、大島渚の太陽族への批判映画だと思った。
世代的には、桑野・川津と久我・渡辺は、せいぜい5年くらいしか年齢の差がなく、世代的差異というには近すぎるのである。
川津の年上の愛人は、青年座の女優だった氏家鎮子さんで、この方は元日本テレビの社長だった氏家斉一郎氏の奥さんだった方である。
横浜シネマリン