甘利明大臣の疑惑が問題になっている。だが、一方で贈賄側とされる人物が、写真や録音を撮っていることで、罠にはめられたという擁護論もあるようだ。
1974年の藤田敏八監督の映画『妹』は、林隆三(秋夫)と妹秋吉久美子(ねり)の微妙な兄妹愛を描いた傑作である。
この中で、秋吉が結婚し大門正明とやっていた鎌倉ブテックから、早稲田の実家に戻ってくるところから始まる。
林は、いろいろ奔走するが、その中で鎌倉に行き、大門の妹の吉田由貴子と会い、画面では描かれていないが、性交してしまう。
家に帰ると、ジーパンから砂が落ち、秋吉に
「鎌倉・・・」と言われる。ラーメンを食べていた吉田日出子に、
「裸で話し合ったのね」と言われ、林が「あいつの罠だ」というと、
「自分から甘い罠に落ちたのね、しかもねりさんのためだという、都合の良いことね」
と言われてしまう。
林は、「理解されないのは悲しいけどなあ・・・」という。
今回の甘利大臣の問題も、自ら甘い罠に落ちたのだろうか。
彼は、二代目の政治家で、その意味では「甘い」ところがありって、汚れ役の秘書に騙されたのかもしれないが。