『にっぽんむすめ』

1935年、ビルマ(ミャンマー)の監督ウ・ニイプ氏によって監督、主演されたトーキー映画で、ビルマでは最初のトーキー映画で大ヒットしたそうだ。

話は、東京とラングーンの無著陸飛行を成功させようとするビルマの兄弟と日本人娘の恋物語。

                       

当時、ビルマにトーキースタジオはなかったので、日本のPCLで録音し、女優の高尾光子が日本人娘の恵美子を演じた。

その他、飯田蝶子に似た老婆など、当時のPCLの役者が出ているようだが、タイトルはビルマ語だけなので、よくわからず。

ただ、音楽は当時のPCLで音楽が多かった谷口又士によく似た感じである。

また、日本では公開されなかったが、原盤は日本にあり、戦後GHQに接収された後、返還されたフィルムの1本。

話は、ビルマ人兄弟と高尾光子の三角関係的恋物語で、展開が非常に鈍いが、三井優氏の解説では、「ビルマ的」だとのこと。

飛行を成功させるためオートレースの場面もあり、相当にモダンな日本の面もとらえている。

ビルマ・日本無着陸飛行というと、国策映画的な煽情性を想像するが、まだ昭和10年であり、そうした国粋性は全くない。

PCLが、まだ録音スタジオ的性格を強く持っていた時の作品の一つというべきだろう。

本郷台アースプラザ

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