最近見た映画で一番笑った作品である。
だが、実話を基にしているのだというのだから、本当に笑ってよいのかと思う。
話は、柔道バカのような主人公綾野剛が、北海道警が全国大会で優勝したいというのでスカウトされて道警の刑事になる。
部署はススキノで、先輩のピエール滝に連れられてクラブに行き、そこで捜査術を伝授される。
それは内部通報者、S、スパイを作ることである。
彼は、その通りチンピラでDJのYOUNG DAISをスパイにして、彼の兄貴分の部屋に逮捕状なしに家宅捜索し、偶然拳銃があり、成果を上げる。
だが、違法捜査だとやくざの中村獅童に脅されるが、逆に突っ張って意気投合し、小樽のパキスタン人らも一緒になり、彼らの情報で拳銃、チャカの捜査に大手柄を挙げてゆく。
この辺が最高で、時まさしく国松孝二警察庁長官狙撃事件があり、拳銃摘発の総動員体制になり、ついにはロシアから金で拳銃を密輸して成果にするまでになる。
チヤかと覚せい剤のどちらが大事かになるが、この辺は完全にブラック・ユーモアで私は大笑いしたが、他の客はそれでもなかったのは、警察は正義の味方と信じているのだろうか。
ソ連崩壊後のロシアは、大混乱していて、銃器は外国にたす売られており、オウム真理教もヘリや銃器を買ったはずである。
その間に、香港からの大量のチャカ密輸を巡って、警視庁との対立になり、まず相手を信用させるため、税関も巻き込んで覚せい剤を密輸する。
だが、中村獅童が覚せい剤を持ち逃げし、事件の責任を取らされて夕張に左遷され、最後は当然に逮捕される。
実際の北海道警裏金事件が基なので、リアリティがすごく、警察内の報奨金のやり取りも大変生々しい。
『6・4』などとは大違いで、正義など、ここには全く存在せず、金と色だけである。
私も、警察と付合ったことは二度ある。国際室の時で、ソ連や中国の訪問団が横浜に来ると、県警の外事課がきて日程等を聞いて行った。
逆に中国の代表団には事務局として偉いのだが何もしない者がいて、「あれは党の人間だ」と言われていたので、どっちもどっちに見えた。
だが、ある区にいたとき、夕方駅前の居酒屋に行くと、我々の前に必ずいるのが、警察署長と次長、さらに係長だった。署長は自宅ではなく官舎に住んでいないといけないので時間つぶしだったのだろうと思う。
いずれにしても、かつての過激派、オオ?真理教、中国・ソ連等の共産党がなくなった今日、日本の警察は暇だろうと思う。
平和で結構なことだが。
横浜ブルグ13