主催の福島俊彦さんからご案内をいただいたので、にぎわい座に行く。
モカンボ・セッションとは、横浜伊勢佐木町にあったナイトクラブ・モカンボで1954年7月に行われたジャズセッションである。
ここには、秋吉敏子や渡辺貞夫をはじめ、沢田駿吾、杉浦良三、高柳昌行など、その後日本のモダンジャズを率いて行くミュージシャンが出ていた。それはアマチュア録音家岩味潔の紙テープの録音機によって録音され、貴重な記録になっている。
この日は、これにも出た今年84歳のアルト奏者五十嵐明要さんも出演された。
一部は、五十嵐さんはじめ、レコード化に関わった岡村融さん、そして日本のポピュラー音楽の生き字引瀬川昌久さんの座談会。
二部は、中村誠一、板橋文夫を中心に、五十嵐さんも交えた若手等とのジャムセッションで、非常に面白かった。
中ではアルトの山田拓児のグループの演奏に興味を持ったが、ちぐさ賞受賞の小川恵理沙も大変に良かった。
この日本ジャズ史に残るセッションだが、今日歴史的に見れば、この後、1955年以降から世はロックの時代になり、大衆的なジャズ・コンサートブームは終了していく。
言わば、このセッションはジャズが、ビ・バップからモダンジャズへと高度化してく切っ掛けの一つであり、一部の大学生等には熱狂的に受け入れられるが、大衆的には無関係の音楽になっていくのである。
因みにビ・バップは、音楽的には複雑な解釈があるそうだが、形で見ればジルバの伴奏音楽だということもできる。
終了後は、最近行きつけの医大通りのSで飲んで戻る。
部屋の廊下から花火が見えた。