松田聖子は渥美マリの後裔だろうか

4月に放送されたNHK特集の『松田聖子』を見た。
趣旨としては、松田聖子を働き自立する女性の象徴として描いていた。

それほど間違いではないが、少々持ち上げすぎのように見えた。
そして、松田聖子は、1960年代の大映の増村保造監督作品での、若尾文子をはじめ大谷直子、そして渥美マリらの後裔のように思えた。
それらの作品の中で、彼女たちは様々な男との遍歴を重ねた後に、最後は一人で「自立」して行くのである。

日本映画史的に考えれば、これは『西鶴一代女』等で女性の姿を一環して描いた溝口健二の女性映画の系譜につながるのだ。

私の個人的好みとしては、松田聖子よりも『じびれくらげ』『でんきくらげ』の渥美マリの方が、松田聖子よりも遥かに清々しい女性像を表現していたと思う。

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