西部劇史上、有名なOK牧場の決闘を描く作品。
『荒野の決闘』が寓話で、『OK牧場の決闘』が講談なら、これは実話に近いノン・フィクションと言うべきか。
4年前に亡くなった俳優の山本亮が大好きな映画で、これについて話合ったこともあった。
話は、いきなりクラントン一家とワイアットアープ、ドグ・ホリディーらの決闘で、数分で終わってしまう。
傷ついた弟の復讐で、アープのジェームス・ガーナーは、クラントン一家を追い詰めていく。ドグは、ジェーソン・ロバーツ。
アープは、州の保安官として「法の裁き」を言うが、
ドグは言う、「結局、弟の仇討だ」と。
この映画が素晴らしいのは、父のアイク・クラントンのロバート・ライアンである。
これが非常に嫌な奴で、けちで汚いのだが、ライアンが良く演じている。
同様に好きな『ワイルドバンチ』でも、ライアンの魅力は最高である。
当時の裁判や保安官の投票なども描かれるのも大変に興味深い。
台詞は少なく、淡々と筋は進行する。
15人の男を殺したことがあるというドグは、アルコール依存症で、ウィスキーが離せない。
だが、ある時クラントンの手下をアープが射殺した時、ドグは言う。
「興奮を冷ますにはこれが一番だ」とウィスキーを勧める。
確かに人を殺した時の興奮は耐え難いものだろうと思う。
15人もの相手を射殺したドグは、それでアルコール依存症になったのだ。
最後、州の幹部に出世したアープが、療養所のいるドグのところに来る。
彼は、酒の悪口を言いながら、相変わらず介護人相手にイカサマカードをやっている。
そして、アープに言う「早く消えてくれ」
山本亮と言い合ったが、「涙なくして見られないよね」
NHKBS