インフォーマルなイベントやネッワークの消滅

今、少子高齢化の一番の原因として、男女とも結婚しない者が増えていることが上げられる。
結婚すれば子供を作るのだそうで、少子化の一番の原因は、結婚しないことなのだ。
婚姻率低下の理由は、さまざまだろうが、企業、役所にもかつてはあったインフォーマルなイベントやネッワークの消滅が意外と大きかったのではないか、と思う。

新年会、忘年会や各種の懇親会を初め、旅行会、さらには組織を上げての運動会などの行事。こうしたところで、普段とは出会えない男女が出会い、それがそもそもの馴れ初めとなったものだ。そして、それは大抵、組織側と労働組合の共同で行われていた。
あるいは、市役所でも、昼休みになると、多くの企業のセールスウーマンがやってきた。生命保険、銀行、証券会社など。
こうした非公式のイベントは、若い男女の出会いの場であり、また組織外から来る連中は、あるときにはお見合いの仲介者であった。

1980年代以降になると、こうした言わば「村社会的」イベントやネットワークは、様々な理由によって中止され、締め出されるようになる。
それによって起きたのが、若い男女が出会う大きな機会の喪失だったと思う。
民間の結婚紹介業が興隆されるのは、大変結構なことだが、かつて企業や役所の職場が副次的に持っていた機能が、外部に分化しただけのように思える。

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コメント

  1. いつも拝読 より:

    風が吹けば桶屋が儲かる
    いつも鋭い意見で楽しみにしていますが、これは風が吹けば桶屋が儲かる、みたいな理屈で感心しません。
    地球環境を考えれば、少子化は良いことです。日本民族が消滅しても、私は困りません。
    少子化は、先進国共通の傾向であり、一度だけの人生ですから、子育てよりも映画を見たり、本を読んだりする方を優先するのは当たり前。日本の少子化の一番の原因は、この社会に希望がないからでしょう。

  2. さすらい日乗 より:

    こう言ってはなんですが
    結局、結婚するとは、まさに「風が吹けば桶屋が儲かる的な」他力本願なのではないでしょうか。

    なかなか自分からは、結婚しようとは男女とも思わないもので、周囲の両親、兄弟、親戚、おせっかいおばさん等の圧力がいないと、結婚に踏み切れないものではないでしょうか。自分のことを考えても、そう思います。

    ブログは、カラオケみたいなもので、やっている本人だけが喜んでいるものですが、今後もよろしくお願いします。