8月7日の東京新聞に、オリンピックの陸上競技の短距離では、ジャマイカのウサイン・ボルトなどの、元は西アフリカにルーツを持つ選手が、マラソン等の長距離では、ケニア、エチオピアなど東アフリカの選手が大活躍している理由を、その地域の地勢に基づく遺伝子ではないかとの説を紹介している。
それによれば、ジャマイカ人の起源は、西アフリカの密林に生活していたヨルバ人等で、そこでは機敏に動くことが必要だったので、それに適した筋肉の遺伝子が継承されてきたのではなかとのこと。
対して東アフリカのサヴァンナの高原地帯では、長距離に移動することが求められたので、それに対応した形質になったのだそうだ。
こじつけのようでもあるが、現在のナイジェリア、ガーナ、ベナン等の西アフリカ勢が短距離であまり振るわないのはどうしてか、と言えば練習環境の不備等から来るものらしい。
陸上競技が、商業的に成立しているアメリカに近いジャマイカ、プエル・トリコ等の方が練習環境が良く、高収入が期待できるのは、選手のモチベーション形成に大きくきよしているに違いない。
そう考えると、弥生時代以来、本質的に定着農耕で、あまり動くことのない水田農業をずっとして来た、わが国は、短距離も長距離競技にも向いていないこととなるのだろうか。
どうもマラソンもスピード時代になった今日、日本に適した陸上競技種目というのはそうはないということになるのか。