映画プロデューサーの藤井浩明氏が亡くなられた、86歳。
大映で、市川崑の『炎上』『野火』の他、『青空娘』『巨人と玩具』『空っ風野郎』『黒の試走車』等の増村保造の数々の名作、大映最後の作品『遊び』までを制作されている。
そして、大映倒産後は、自らのプロダクションンで、『大地の子守歌』『曽根崎心中』、さらに田宮二郎と近藤正臣のカッコつけ合戦映画『動脈列島』も東京映画で作っている。
日本映画に大変な貢献をされた方だと思う。
特に三島由紀夫との交流から、三島の原作、主演、監督の映画『憂国』を新宿文化で公開し、大ヒットさせた。
これは日本ATGが、本来の優れてはいるが種々の事情で未公開になっていた外国映画の公開から、俗に「千円映画」と言われた日本の優秀な監督との映画製作の道を開くことになったのである。
この日、同時にカメラマンの坂本典隆氏の訃報も出ていた。
『旅の重さ』『約束』等で優れた映像を作り出した人だが、驚いたのは、その後松竹に入ったという記述で、外部から松竹に入ったということは、この時期大変な例外だと思う。
それだけ、松竹の幹部に高く評価されていたということだろう。
日本の映画の発展に多大なご貢献されたお二人のご冥福をお祈りしたい。