1961年、坂本九の大ヒット曲『悲しき60歳』に合わせて作られた、大映の適当映画。
坂本九の他、森山加代子、ジェリー藤尾、ダニー飯田とパラダイス・キング、さらに大映の潮万太郎と弓恵子、倉田マユミなど。
お手軽映画だと思って見ていると、結構面白かった。
鈴木清順に似ていると言ったら誉めすぎだが、ほとんど彼らのヒット曲をつなぐために劇が軽く進行するという手軽さが作品の無意味さを救っている。
話は、若くて貧乏でも好き合った者同士で一緒になるのがいいか、否か死んだ後、天国でもう一度生き直してみるというもの。
坂本とジェリーが貧困兄弟で、ボクサーになり、ジェリーは八百長試合で望みを断たれ、坂本は勝って幸福を得る。
この『悲しき60歳』、原曲『ムスターファ』は、トルコ、アラブの曲で、日本では青島幸男が、適当に詩を付けたようで原曲の内容とは関係ないらしい。
日本語の詩は、『金色夜叉』のお宮と貫一の話が元のように思えるが、その意味では映画のシナリオは、合っている。
潮万太郎と弓恵子は、劇中で親子を演じるが、実際にも彼らは父と娘である。
倉田マユミというと、現在は漫画家のクラ・タマになるが、倉田マユミは、当時大映によく出ていた女優の一人で、今はアメリカにいるらしい。
監督の寺島久は、数本の音楽喜劇を大映で撮った後、ピンク映画に転向し、東史郎の名で多作したともこと。
衛星劇場
コメント
倉田マユミ
倉田マユミは、渋谷実作品の「やっさもっさ」のオンリーの役が良かったです。