先日の東京新聞に、川崎大師にくず餅屋があることが紹介されていた。
製法などについても詳しく書かれていたが、そのくず餅は、川崎だけではなく、東京の池上本門寺や亀戸天神にもあるのだ。
森の石松ではないが、「どこか忘れてはいませんか」と言いたくなった。
池上には3軒のくず餅屋があるが、中で一番大きいのが池田屋さんで、この家の苗字は指田なのである。
実は、池上には現在4軒の指田家があるが、中では池田屋さんの指田と私の実家の指田は、異なる系統なのだそうだ。
言い伝えでは、「我が家の祖先は日蓮上人と一緒に池上に来たとのことだが、
1991年に私が富士山のすぐ下の富士宮上井出の語学研修施設に派遣された時、現地の人に、
「指田はこの辺に沢山ある名前です」と言われたので、それは本当のことなのだろうと思う。
つまり、日蓮上人が身延山から池上に「逃げて来た」時に周辺にいた信者のひとりということになる。
だから、昔を辿れば、一つになるのかもしれないが、近代では別系統だとのことである。
さて、くず餅は、葛を使う製法もあるようだが、東京のくず餅は、葛は使わず、小麦粉を腐らした後、加熱して成形するものである。
だらか、どの店もクズを腐らす木の大きな樽を置く小屋を持っていて、数ヶ月間そこで小麦粉を腐らしている。
子供の時、遊んでその小屋に入り込んだことがあるが、さすがに非常に臭い場所だった。