映画『日本のいちばん長い日』を見ていて、日本はアメリカに負けた。
特にその圧倒的な物量に負けたのだと言われたが、同様のベトナムにアメリカは勝つことができなかったのは、どうしてなのかと思った。
一般に近代戦以降は、人口と経済力の大きな方が戦争に勝つと言われている。
かつて1980年代に中東で行われたイラン・イラク戦争がその典型で、当初は軍事力に優れていたイラクが勝っていた。
だが、戦争が長期化し、膠着状態になると、人口の多いイランの方が優勢になって来て1988年に停戦になった。
いずれにしても、人口と経済力は、戦争の基盤なのだ。
そう考えると、ベトナムは日本よりも人口は少なくて、経済力は1970年代は、アメリカの比ではなかった。
だが、ベトナムを結局アメリカは征服することができなかった。
それはベトナム人の精神力なのだろうか。そう考えれば、『日本のいちばん長い日』に出てくる畑中らが言うように、「2000万人が特攻で犠牲になれば、日本はアメリカに勝てたのだろうか」
もっとも、そうすると戦争は長期化し、ソ連はどんどん侵攻してきて、北海道は完全にソ連領にされてしまったと想像するのだが。
さらに、広島、長崎に続い原爆が日本の都市に落とされることになり、日本はさらに悲惨な状況になったに違いない。
事実、アメリカは、朝鮮戦争の時、マッカーサーは、原爆使用をトルーマン大統領に進言し、総司令官を解職されたのだから。
また、先日見た『ハーツ・アンド・マインズ』でも、フランスの関係者が、インドシナ戦争の時、アメリカから原爆の貸与・使用を言われたと証言していた。
ベトナム人に比べて、日本人は精神力が不足していたのだろうか。