『ルールー』から中東情勢を考えたこと

昨日は、大岡地区センターで『横浜クロス・カルチャー』をしましたが、そこではレバノンの、というよりもアラブ最大の女性歌手フェイルーツの『ルールー』も上映した。

                                      

これは、ずいぶん前にLPで持っていたものを、数年前に渋谷のエルスールでDVDとして買ったものだが、筋は全く分からない。

彼女が主人公なのだが、どういう役か不明だが、どうやら一種のコメディーらしい。

このLPでも気になっていたのは、他国の曲が演奏されることだったが、映像で見ると、彼女を中心に多くの男女が踊り歌うものだった。

その曲は、まず『サンタ・ルチア』、次は『ポリシカポーレ』、そして『マイム・マイム』なのである。

それらに勝手に詩をつけているように聞こえるが、もちろん意味は分からない。

だが、これを見ると興味深いのは、イタリア民謡、旧ソ連の軍歌、さらにイスラエル民謡であることだ。

要は、レバノンが、地中海文明、ロシア等の欧州文化、さらにアラブの宿敵のイスラエルとも、実は文化的に親近性が極めて強いということである。

よく考えれば当然で、イタリアとは海で結ばれている他、ロシア、イスラエルとは陸続きなのだから、文化は相互に浸透し、交流しているのである。

中東情勢は複雑だが、実は相互に親近性もあるのだということをお話しさせていただいた。

明後日12月1日には、黄金町のたけうま書房でトークイベントをしますので、どうぞよろしく。

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