今年は、映画『ゴジラ』が出てから６０年で、新作の『シン・ゴジラ』もいい出来だった。
沖縄出身の脚本家で、円谷プロにもいたことのある上原正三は、次のように書いている。
ゴジラは、ジュラ紀の恐竜がアメリカの水爆実験によって怪獣となったものである。なぜ水爆実験をしたアメリカではなく、日本を襲うのか。
それは、私の考えでは「ゴジラは円谷英二であり、ゴジラこと円谷英二は、日本人に戦争の恐ろしさを知らせるために日本に来た」のである。
円谷英二は、、1939年から東宝に創設された合資会社航空教育資料製作所で、陸海軍から受託して、戦闘機の使用法等の「軍事マニュアル映画」を多数作っていた。
もちろん、模型等を利用した特撮で、さらにアニメーションによる解説付きである。
これに東宝の宮島義勇らの優秀なカメラマンが現地で撮影してきた映像を編集して「軍事マニュアル映画」を多数作っており、51本もあったそうだ。
中には、「水平爆撃法」という明らかに真珠湾攻撃を想像させるものもあり、ハワイ奇襲に役立ったことだろう。
だから、1942年に『ハワイマレー沖海戦』ができ、特撮の凄さを称賛されたが、実は逆で、円谷は真珠湾攻撃の予測映画を作っていたのだから、そんなものは容易なことだったのである。
1945年の8月以後、この映画については、フィルム、シナリオ、スチール写真に至るまですべて東宝は焼却してしまった。
そして、東宝の第二撮影所になっていた航空教育資料製作所は、東宝争議以後は、新東宝撮影所になり、今は日大商学部と東京メディアシティになっているのである。
つまり円谷英二ことゴジラは、日本人に戦争を忘れさせず、「もう二度と戦争をするなよ」と警告するために日本に来るのである。
コメント
初めまして
他のブログでお会いはしてますけどね。
正直にゴジラが誰でも私は熊は良いのですよ。
つまるところは面白く、考える事があれば。
それで本題に入りますが、
クリスチャンの話ですな。
貴殿は博覧強記な方のようですから、アメリカの共和党勢力には福音派と呼ばれる宗教右派が存在するのはご存知でしよ？
クリスチャン=平和主義者みたく「十羽一欠片」に円谷一人のケースで断定された事には、私は怒りを感じてます。
貴殿がゴジラは誰かに拘るように、私もクリスチャンを、どの宗派も同じかのように言われる事には拘りがあります。
スルーしないで、返答して下さいよ。
別に謝罪しろなんて言いませんから。
お答えなければ、他ブログで遭遇する毎に、私はこの話を蒸し返すつもりですので。
あ、あとお願いできるならば、雫石さんの例の場所で書いて戴けると幸いです。
宗教と政治は別です
簡単なことです。宗教と政治は別で、それぞれの方がいるということです。
クリスチャンには絶対平和主義のメソジストなどもいますし、日本でもホーリネス派は、戦時中に徹底的な戦争非協力で、共産党以上に弾圧され投獄されています。
さらに、内村鑑三に見られるように、明治期から戦前まで、日本のキリスト教徒は安部磯雄のように、平和主義で、社会主義の同伴者でしたので、円谷英二もそうした上で平和主義だったと思うのです。
なぜ日本ではキリスト教は減ったのか
明治以来、昭和初期までキリスト教は日本でも結構な人数がいました。
現在では、日本は世界で最も布教に失敗した国とされています。
それはなぜでしょうか。
一つは、明治以来上流階級のものとされてきて、底辺への布教を怠ってきたこと。これはマルクス主義の浸透とも類似していますが。
さらに戦争期に全く戦争に対して戦わなかったことが大衆の信頼を失ったのだと思います。
創価学会や天理教も、戦時期に様々に弾圧される程度の抵抗はしているのです。
キリスト教で弾圧を受けたのは、ホーリネス派くらいでしょうね、私の知る限りは。
丁寧な回答をありがとうございました。
一読して日本の明治以後のキリスト教の布教に
平和主義と左翼思想が同伴する傾向があった為のお言葉と理解いたしました。
つまりは疑惑は、流離い日乗さんは白なわけで、これは偏見と観た私が謝罪せねばなりません。なので、
「誤解でした。素直に謝罪いたします。ごめんなさい」
実は流離い日乗さん(悪いけど管理人さんにさせていただきます。雫石さんにもそうですから)
の説明、実は面白かったですね。明治以後の…とは、恐らくはプロテスタント系の団体と思われます。彼らは洗礼名を持たないのですぐ解る。
韓国で布教に成功して、中国で増え続けて弾圧されているのも彼らですから。
カトリック(天主教会)は権力に取り入るのうまんですよ。私が言うのも何ですが。
内村鑑三などの話を聞いて、国会前でデモしていてシールズなどの出元も解りました。
彼らの中核は内村系のミッションスクールの出身てす。そこで安保反対と共産党との繋がりが出てくるわけですか…なるほど。
キリストも共産主義も、基本的に上流または知識層に広まり、下久への浸透を図らなかった！
また弾圧を受けてまで闘う姿勢を示さなかった為に、戦後に信頼を喪失した…
これも、なるほど。かように思いました。
シールズの学生が中国が沖縄に侵攻してきたら、酒を呑んで語り合い説得して止めさせる…とTVで語っているのを観て、
それなら試験的にイスラム国を説得しみて、説得できるものか実績を出して欲しいものだわ。
私はかように感じましたが、何ゆえここまて白痴的なことを大学生がメディアに語れるのか不思議でした。
管理人さんのお陰で理由が解りましたよ。
抵抗をしなかった事で、彼らは戦後に革新系の信頼を喪失した。この為、社会運動の一線から
引き揚げ、ガラパゴス化した。
その為、他の左翼のような理論武装が疎かにされたと。シールズメンバーの白痴発言が何処から来たのか理解でき、非常に有用な?になりました。重ねてお礼を申し上げます。
私らカトリックは、プロテスタントのやってる事って良く知らないのですよ。