1988年、『ぼくらの7日間戦争』と併映公開された角川映画。
脚本・監督は崔洋一、主演はつみきみほで、『ぼくらの7日間戦争』が、宮沢りえでは、随分と分が悪く、大して話題にもならなかった。
宮沢りえの方は、テレビでもCMが流されていたが。
話は、原作の漫画とは違うらしく、199X年という近未来で、モデルは新宿歌舞伎町のようだ。
そこは、警察、中国人などのアジア系のギャング、さらに女性のギャングたちが抗争している。
雰囲気としては、『ブレード・ランナー』だが、ストリートのセットが一つだけで、同じセットが何度も出てくるので、その予算の貧しさにイライラしてくる。
女性のギャング団から脱退した一匹狼のつみきみほが、活躍するが、別にそれ以上のものはない。
つみきは、ルックスは良いが、体が脆弱でアクションも特に上手くはないので、映画はどこも弾まない。
女団の首領HIBARIは、美加理で、これもカッコをつけすぎていて少しも面白くない。
結局、映画のどこにも思い入れできないうちに映画は終了してしまう。
珍しことに会場には監督の崔洋一がいて、終了後「これはアイドル映画だ」と自嘲的な話を周囲の者にしていた。
そうだろうか、この作品は、アイドル映画にもなっていない。
アイドル映画とは、主演のアイドルをいかに魅力的に描くだが、少しもつみきみほの良さを出していないからである。
フィルムセンター