『吉永小百合 知らざれる”母”への思い』

新作映画『母ベぇ』を撮影中の吉永小百合とその母との題材としたNHKの特番。
特に、目新しいものはないが、母和枝さんも大変な美人であったのはさすがと思う。
吉永小百合については、作家関川夏央の『昭和が明るかった頃』(文芸春秋)が最も詳しく、それを越えるものはない。関川の本で、私が一番驚いたのは、吉永の父親は東大出の外務省職員と聞いていたが、東大出で外務省にはいたが、所謂ノン・キャリア職員であり、エリートではなかったことだった。
戦後、国をやめ仲間と会社を起こすが失敗し、家族は幼い小百合の子役、女優としての稼ぎに依存するようになる。
まあ、成瀬巳喜男の映画『浮雲』の主人公森雅之のような、駄目男だったのかもしれない。
それが、彼女が大スターになった中で、家族に大反対され結婚を密かに仲間内だけでやったことに繋がる。
何故なら、彼女が結婚独立すれば、稼ぎは家族には行かなくなるからだ。
この辺の父親との葛藤は、映画『忍ぶ川』や『野麦峠』でのトラブルで有名である。
フジ・テレビのプロデューサーだった岡田太郎との結婚は、歌手畠山みどりの家で行なわれたと、あの畠山みどりも出てきた。
畠山は、同じくフジのディレクターだった千秋与四夫氏と結婚していたので、友人として助けたのだろう。
見ていて驚いたのは、彼女に子供がないのは、女優として生きていくためにどうやら作らなかったらしいこと。
これは彼女が結婚後、女優として余り成長しなかったことの原因の一つだとすれば、大変残念なことである。子供がいないので、いつまでも若いのだろうが。

映画『母べぇ』は、スクリプター野上照代さんの実話を基にされている。山田洋次としては、久しぶりの現代劇だが、どのようなものになるのか、大いに期待したい。

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コメント

  1. 吉永小百合インタビュー

    62歳でも小学生の母親役違和感無しってどうよ

  2. 岡田太郎

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