香道は難しい

7月から、カルチャーセンターで香道を習っている。

始めた理由は、小さい頃から嗅覚に少々自信があったからだ。

大学生の頃、家で貰い物のリンゴを食べていた。そのとき、リンゴにかすかにモミガラの匂いがした。

そこで、「美味しいけれど、籾殻の匂いがするね」と言ったが、皆が「ええっ」という顔をした。

その時、兄嫁が言った。

「これリンゴ箱に籾殻を詰めて送ってきたの、よくわかるわね」

人間の感覚には、視覚、味覚、聴覚、触覚等があるが、嗅覚は触覚などと同様に比較的原始的な感覚らしく、私は原始的な人間のようだ。

そこで、嗅覚を活かして香道を始めることにした。

教室は、泉山御流の小林芳香先生、まだ4回目だが、香道の奥深さに驚いている。

主に、組香という、あらかじめ数種類のお香を聴き、その後に順番を替えて再度お香を聴き、その順のお香がなんであったかを当てるもの。

因みに、香道では、お香の匂いをかぐことを、聴くという。

一般に、西欧やインドのお香は、きわめて匂いの強いもので、その違いはすぐにわかるものだ。

だが、日本の香道でのお香の匂いの差異は、きわめて微妙で小さく、容易には判別できない。

しかも、組香でも、順に回されてきたお香の匂いを記憶しておかなければならない。

だが、匂いを記憶しいておくためには、言語表現に換えておくことが一番簡単だが、匂いほど言語表現することが難しいものはない。

4回受けて、当たったのは、1回だけで、香道の奥深さを知る次第である。

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