これも、もうひとつの「血脈主義」ではないか

作家佐野真一が週刊朝日で、橋下大阪市長の出自に触れたの記事に対する、橋下市長の記者会見をテレビで見た。

書店に行くとすでに売り切れだった。

記者会見の中で、橋下市長は、朝日新聞の大阪市政記者室の記者に対し、

「週刊朝日の100%出資の親会社である朝日新聞の責任がないのか」と激しく追求していた。

これは、よく考えれば、「親会社は、子会社に100%セントの責任がある」という、もう一つの血脈主義である。

親会社は、子会社の行為に対して責任があるだろうか。

勿論、経理上の連結決算の責任の範囲になるだろうが、それもあくまで親会社の株主総会で問題になるだけであろう。

第三者が親会社に対し、子会社の行為にも責任を取れ、いうのは非常におかしな、通らない論理だと思う。

行政の場合は、親会社である市役所と子会社の外郭団体との関係は地方自治法等で定められている。

50%以上の出資、出捐等をしている場合は、報告義務団体として議会に報告して議会による監査の対象になる。

また、それ以下の団体については、「報告団体」として議会への報告義務がある。

だが、このことは外郭団体の法人としての個別性を認めていることであり、たとえ外郭団体で問題があったとしても、それがすぐに市役所や市長の責任になることはない。

あるとすれば、「外郭団体の監視を強化せよ」という程度の意見がつくくらいである。

報道でしかその内容は分からないが、週刊朝日の記事にはかなり問題があるようだが、橋下大阪市長の「江戸の敵を長崎で」的な、もう一つの血脈主義にも首を傾げざるをえない。

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