8月30日の衆議院議員総選挙の開票速報番組で傑作だったのは、テレビ東京の『ニッポン戦略会議』だった。
司会は、小谷真生子と池上彰、総合キャスターは田勢康弘で、竹中平蔵、猪瀬直樹、田中均ら自公派が多かったが、特に田勢の言動は客観性を欠き、麻生自民党のゴマすりだった。
番組中、鳩山由紀夫民主党代表の選挙大勝利の記者会見が中継された。
終わると、いきなり田勢が言ったのが、「これほど盛り上がらない勝利会見はない!」と叫んだのだ。
これには会場にいた猪瀬直樹らも声を出して笑っていた。
あの場で、勝利に喜んで騒ぐ政治家がいるだろうか。
さすがに鳩山由紀夫氏も、勝って兜の緒を締めよ、と冷静にコメントしていたのだ。
もしかして、万一麻生自民党が勝ったなら、麻生太郎君は大声を上げて欣喜雀躍しただろうが。
麻生太郎首相は、最後の最後まで自公政権が勝つと思っていたらしいが、田勢康弘も、密かにそう願っていたのに違いない。
だとすれば、それだけで政治評論家としては完全に失格である。
彼は、数週間前の土曜午前中の番組でも、中田宏横浜市前市長に対して、辞任問題を全く追及できず、ゴマをすっていた。
本当にどうかしているとしか思えない。