1960年代の東急東横線渋谷駅が見られる

今日から、渋谷の東急東横線の駅が、地上からヒカリエ下の地下に移った。

横浜から池袋、新宿に行く時、渋谷で山手線に乗り換えねばならず、とても不便だった。

それが、今度は横浜から直通で新宿、池袋まで行けるので、大変便利だろう。

さて、今日から使われなくなった渋谷駅が背景として写っている映画がある。

1963年2月に公開された日活作品の『泥だらけの純情』である。

これは、偶然に知り合った外交官の娘吉永小百合と新宿のヤクザのチンピラ浜田光夫が愛し合い、周囲から猛反対され追い詰められ、心中してしまう話。

吉永の家は横浜の山手で、母親は細川千加子、ヤクザの親分は宮坂将嘉、浜田の兄貴分は小池朝雄という名配役である。

因みに宮坂の娘は和泉雅子で、彼女は次郎の浜田に惚れている。

この映画の脚本は、数年前に死んだ馬場当で、監督の中平康と同じく松竹大船なので、セリフが非常にカッコよい。

一番有名なのは吉永小百合の

「次郎さんヤクザやめられません? ヤクザっていけないと思うんです」だろう。

この映画の中盤、ある日二人は渋谷で会い、今はないリキ・パレスでボクシングを見た後、横浜に戻る小百合と東横線のホームで別れる。

この時、ちょうどホームは屋根の工事中で、ホームの床が木製になっている。

別れ際、吉永小百合は浜田光夫に言う。

「今日初めてママに嘘をつきました。なぜならあなたに嘘をつきたくないから」

このシーン、注意してみると二人の後ろに藤竜也によく似た男がいる。

多分、入社したばかりで、エキストラ的に使われたのだろう。

一部で評価が高い中平康だが、私は、この『泥だらけの純情』『紅の翼』『あいつと私』等の娯楽作品に良いものが多く、文芸作品は良いと思えない。

映画『泥だらけの純情』は、1977年に山口百恵、三浦友和主演で再映画化されたが、監督が富本壮吉でテンポがなく、愚作だった。

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