芝居は、やはり演説だ

TBSのドラマ『半沢直樹』が終わった。

一応、悪役の香川照之の悪事が暴露され、堺雅人が取締役会で勝利する。

だが、香川は平取締役に留まり、半沢は証券会社への出向になる。

明らかに続編を想定した終わり方であるので、来年春頃には続編が放映されるのだろうか。

さて、最終回の取締役会は、堺雅人と香川照之の怒鳴り合い、大演説大会だった。

そして、いくらカッコ悪いとか、ださいとか言われても、芝居の魅力は、台詞術にあり、結局は演説大会になってしまうことは、真山青果の劇の面白さを見ればわかるに違いない。

さて、このドラマの魅力の半分以上は、悪人香川照之の演技であることは言うまでもないことだろう。

見ていると、彼の叔父で、今度襲名した八世市川中車の憎々しさに似て見えてきた。

中車の悪役演技は、稲垣浩監督の東宝のオールスター映画1960年の『忠臣蔵』での吉良上野介で見ることができ、大石内蔵介は先代松本幸四郎だった。

この先代の中車は、公私ともに色好みで有名で、好色な悪人が上手だった。

香川が演じた常務は、今回は色恋沙汰はあまりなかったので、この次は是非濃厚な色恋の名演技を期待したい。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする