『夜をぶっとばせ』

去年亡くなった曽根中生が、日活を出て自分の会社フィルム・ワーカーズを作って製作した映画。
主演の女優高田奈美江は、『花の応援団』に出たある方の姪だそうで、不登校と暴力でどうにもならないとのことで、曽根のところに連れて来られた少女。彼はいろいろな事務所に紹介したが、みなビビってダメになる。
そこで、曽根は結局彼女にノートを書かせ、それを基にシナリオを書き、撮影に入ったが、現場での行為についてもほとんど彼女の仕切りで行われたそうだ。
そのためにすごいリアリティがあり、昔東映が作っていた「スケバン」映画のようだが、作りものでない迫力があり、羽仁進の名作『不良少年』のようでもある。

実は、この映画はどこでも上映されていないで、ぜひ見たいと思って探したら、ユーチューブにあり見たので、映像が荒くて人物がよくわからないところがあるが、奈美江の妹が設定されていて、彼女は東京に行き、1982年11月8日の一日のことにされている。
この1982年と言うのは、新宿のディスコで少女が殺された事件が起きた年でもある。

もともと、彼女たちが住むのは群馬県の田舎である。
これは当初小規模で上映されたが、中学生たちが押し寄せて大ヒットになったそうだ。
日本の不良少年、少女映画の歴史の中で、残る作品だろう。

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