『蟻の町のマリア』

先日、あるところで、カトリック教会の関係の方にお会いして、事務所の場所が江東区潮見となっていたので、
「蟻の町でしょう」と聞くとそうだとのこと。
松竹で公開された映画『蟻の町のマリア』のことを、このブログで書いたはずだと思い、調べても出てこない。
さらに調べると、このブログの前の2チャンネルのサイトでやっていたところに書いたものだった。

  いじわるじじい:04/09/05 21:41 ID:OHe2Wffi先週から三百人劇場に通い、『好人好日』『大根と人参』『バナナ』を見たが、
 昨日阿佐ヶ谷のラピュタで見た五所平之助の『蟻の町のマリア』が予想以上に良かった。
 昭和30年代に浅草にあったバタヤ部落・蟻の町、どうやら浅草公園を不法占拠していたらしいが、
  ここにボランティアとして活動した北原玲子の実話。千之赫子の数少ない主演作品。脚本は長谷部慶次。
 東宝ストのときの共産党シンパで、後に左翼独立プロで活躍した伊藤武郎らからは、ややはなれた人達だった彼らは、
 五所を中心にスタジオ8という会社を作り、『煙突の見える場所』などを作るがつぶれ、最後は松竹の子会社・歌舞伎座プロで映画を作る。
  この会社は、京都で宮島義勇のカメラで『高丸菊丸』などという三流時代劇も作っている。

  五所のやさしさと抒情性、カット割と心情描写の細かさがいい。こういう演出がなくなったのは、惜しい。
 千之の父が斉藤達男、母が夏川静江。脇役が皆いい。飯田蝶子、三井弘次、中村是公、多々良純、浜村純、岩崎加根子
  須賀不二夫、町の代表(会長)が佐野周二。事務長が南原宏治(こいつは共産党みたいな奴で、対マスコミ向けに千之を利用しようとするが、
 最後は彼女の真摯な情熱に打たれる)
 勿論、最後は結核で死ぬ。新聞記者、渡辺文雄、都庁の役人・松本克平。
  彼らは、8号埋立地、現在の潮見地区に移転する。
 彼女は、カトリックの名門校、光塩女子学院の出身なのだそうだ。昔は偉い人がいたんだね。

確か、美輪明弘(当時は丸山明弘)も出ていたと思う。
長谷部慶次は、東宝の録音部にいて、黒澤明の『虎の尾を踏む男たち』では、録音ときちんとタイトルにある。
ストライキの後、組合派の一人として東宝を出て、五所平之助について独立プロで脚本家になり、1960年代以降は、今村昌平作品で活躍される。
非常にまじめな方で、緻密にシナリオを作る人だったらしい。
今は、ほとんど知られていない方だが、すぐれた脚本家だったと思う。

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