「日本の女の子はどうして外国の男に弱いの・・・」

日産自動車のカルロス・ゴーンの事件を見ていると思い出すのは、チョコレートのCMで大人気のなっていたルノ・ベルレーをわざわざフランスから招いて作った恩地日出夫監督の映画『恋の夏』である。

詳しい筋書きは忘れたが、ルノ・ベルレーが来て、小川知子と恋に落ちる。

その時、野際陽子が言う台詞が、この

「日本の女の子はどうして外国の男に弱いの・・・」である。

自分もフランスに留学したことのある野際が言うのはおかしかったが、実に正しいと思う。

日産の日本人の役員たちも、ゴーン氏に「外国では、こうなんだよ・・・」の言葉に逆らえなかったのだと思う。

比喩が卑俗になって恐縮だが、横浜市役所でも似たような例はあった。

みなとみらい地区のヨコハマグランド・インターコンチネンタルホテルの5,6階は、ホテルではなく横浜市が持つ「横浜国際協力センター」というオフィスになっている。

ここには、ITTO(国際熱帯木材機関)、アメリカ・カナダ大学連合、国際食糧計画などの「国際機関」が入っているが、もちろん横浜市が誘致して来ていただいたのである。

このオフィス部分の整備の時、私はパシフィコ横浜の課長補佐で、会議の末席にいた。

当時、この国際機関誘致の担当課長はA氏で、彼は

「国際機関は24時間機能しているのだから、ホテルの一般のエレベーターとは別に機関用のエレベーターを作れ」と強く主張された。

私は「本当かな」と思っていたが、相手は課長なので黙っていて、その結果として国際機関用に2基のエレベーターができた。

そして、1991年夏にパシフィコ横浜ができ、「国際機関」もご入居された。

だが、驚くことに「国際機関」の職員は、24時間どころか、毎日も働いていないのだった。

その後、私は課長に昇任して横浜市総務局国際室に異動し、そこで富士宮市にあった国際貿易研修センターに英語研修で派遣された。その時、事務局で働いていた職員は次のように言った。

「ここの給与は本当はよくないのだが、休暇が大変に多くて、一年の半分くらいしか働かなくてよいので、アメリカの若者たちには非常に魅力なのだ」と。

「国際機関」の場合、半分とは言わないまでも、日本人に比べれば、非常に多い休暇を得ていることは普通である。

なぜなら、彼らは多分個々の職員に対し、あるプロジェクトの命令があり、それを結果として出せば良いので、勤務の実態等は問題にならないからである。

日本も横浜も、そして日産自動車も外国のことをよくご存じなかったということである。

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コメント

  1. 弓子 より:

    ゴーン氏が日産に就任して何ヶ月か経ち感想を聞かれ

    かってこれほど忠実なる人たちと私は出会ったことがない

    の意味のこたえでしたが、
    「忠実なる人たち」って言われても;;;;;

  2. より:

    ゴーン氏の事件は、経営者の信用に傷をつけた、と言えるでしょう。
    袂を分かった西川さん、その決断は正しいでしょうが、経営者として、
    これからも、ゴーン氏の大きな影に迫られ、彼を超えられるか、という
    事に、男児としてのプライドが懸かっている、と思います。

    スコアとして、ゴーン氏ほどの成績は収められないでしょうから、
    古いながら人格的な経営者として、成績を残す事でしょうね。