「詐欺師は詐欺師には見えない」という言葉を私も体験したことがある。
それは、横浜シティ・エアーターミナルが最初にできた時のことである。今の横浜駅西口のスカイビル内とは別の、大野町あった時のことである。(写真は、今は廃墟になった元のエアーターミナルである)
新東京国際空港・成田ができ、今まで近かった羽田空港から遠距離になり、東京の箱崎に東京エアー・ターミナルができ、ここで搭乗手続きができるようになった。
ここから「横浜でもエアー・ターミナルを」という声が上がってきた。
その時、元日本航空関係者のある男が、「横浜でエアー・ターミナルを作りましょう」と言ってきて、横浜商工会議所に働きかけて素早く了解を取り、横浜市も説得して両社の出資を得てエアー・ターミナル会社を作ってしまった。
だが、フタを開けると、搭乗手続きはできず、ただの「バス・ストップ」であることが分かり、
「なんだあ・・・」とのことで、横浜市役所でも大問題になった。
そして、その男は、エアー・ターミナル会社の役員を辞め、市会にも謝罪の説明に来た。
会うと非常に腰の低い丁寧で感じは非常に良い人で、「この男がみんなをだましたのか」と思った。
その時、市会副議長の有山睦男先生に「だますような人には見えませんね・・・」と聞くと、
先生は「いや、相当に大変な男だよ」と言い切った。
世間の裏表をよく知っている有山先生らしいなと思った。