最近は余り使われないが「民衆芸術」という言葉がある。
大正時代、トルストイなどの影響を受け民本主義と併せ、民衆的、大衆的な生活文化を評価する傾向で、白樺派をはじめ今日では陶芸家バーナード・リーチなどが有名であろう。「民芸」と言う言葉も、ここからきた。
横浜市金沢区で金沢文庫芸術祭が行われていて、土曜日29日はメイン・イベントだったので3時過ぎに行ったが、これなど今日的な民衆芸術であろう。
海の公園の芝生部分に様々なテントが広がり、各国の料理・飲食から手工芸品、美術品、ワークショップ等が行われていた。
夕方、イベントの最後として「サンセット・パレード」が行われた。
主催者浅葉和子さんを先頭に、様々な仮面、フェース・ペインティングされた子供等のパレードで、なかなか楽しいものだった。
1989年にイギリス、サン・オーステレルでの「ウォーマッド・フェステバル」に行ったときのことを思い出した。
そこでは、3日間現地にキャンプした親子にワーク・ショップで仮面、フェース・ペインティングをして最終日にパレードを行っていた。
1991年に横浜のみなとみらいで、パシフィコ横浜のオープニング・イベントとして実施した「ウォーマッド横浜」でも、イギリスからワークショップ・アーチストなるものが来て、それをやったが、残念ながら日本では上手くできなかった。
それは、ウォーマッド横浜の場合は滞在性が全くなく、その日だけの観客でやったので、面白くなかったのだろう。
それが、この金沢文庫芸術祭では、上手くできているのに大変感心した。
多分、日本のこうしたイベントで、このようなパレードをやっているのは、他にないと思う。
金沢区役所からの補助もあるが、多くの部分を自分たちの力、手作りでやっているのは大変素晴らしい。今後のさらなる発展を期待したい。
ただし、この日の夕方のプログラムと過去のビデオを見ただけだが、このイベントの美術系はすごいが、音楽系は少々弱いように思える。
サンセット・パレードの演奏のバグ・パイプと太鼓など、リズム感ゼロの音楽だったのには大変がっかりした。
「ロック時代でこういう音楽で良いのかね」とおじさんは思うのである。
夕方には、林英哲のコンサートも雨のため、会場を室内に変更して行われたらしいが、林英哲の音楽は少々オーバー・コンセントレーションで苦手なので、遠慮して野毛に飲みに行く。
コメント
金沢文庫芸術祭
数年前、このお祭りの野外ステージで唄いました。
ツインギターと、フラットマンドリン、フィドル、などのバンドで、「大正ロマン」をイメージして着物姿で、「宵待草」、オリジナル、なんかをやったかなー。とっても楽しかったです。浅葉さんのドリームキャッチャーのワークショップにも子どもと参加したかも。毎年続けていけることは、すごいことだと思うし、そうなることを願っています。