この20年間に何が起きたか

先日書いた消費低迷について、続きを書く。
1980年代後半の不動産バブルとその崩壊、ITバブル、さらにホリエモン騒動に象徴されるヒルズ族など、この20年間で日本の社会で何が起こったのか。
簡単に言えば、「世界で最も成功した社会主義」といわれた平等社会の日本が、アメリカ型の格差社会になったと言うことだろう。
ただ、この10年くらいは、デフレ時代だったので、自営業者はともかくとして、サラリーマンはほとんどの物価が実質的には下がる状況だったので、こうした格差、給与の低下の影響を受けることがなく、格差社会の実感はなかったと思う。
だが、団塊世代は定年退職で、給与所得が急速に低下した。
従来は、団塊世代が退職すれば、退職金を得るので、それで消費が拡大すると言われてきた。だが、最近の景気低迷で皆消費しない。
そこで、団塊世代の退職金消費も増加しないと言うわけである。

当然のことだが、格差社会とは、今まで多数の人に与えられていた所得が、ごく少数の人に集中され、その他の大多数には極めて少ない所得しか得られなくなることだ。
一般論で言えば、このごく少数の金持ちが多額の消費をし、その結果社会全体の景気が良くなる、と言うのが好循環だが、日本ではそうはなっていないようだ。
その理由は、日本の経済は、平等社会に対応する構造になっており、格差社会に対応する消費構造にはなっていないからだと思う。

だから、今後数年はこの景気低迷は進行すると思う。
本格的に回復するには、日本の経済構造が、アメリカ型の格差社会に対応した構造になるまで時間がかかるだろうと言うのが私の予測である。

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