尻手駅


成瀬巳喜男と川島雄三の共同監督作品『夜の流れ』を見ていたら、最後離婚手続きを終え、晴れて元の夫となった北村和夫に草笛光子が無理心中される場所として、南武線の尻手(しって)駅が出てきた。
ここは、南武線の駅であると同時に、ここから浜川崎線が出て行く駅であり、丁度第二京浜国道を跨いでいるので、かなり高い駅になっている。

新たな夫の宝田明が夕刊を売店に買いに行った隙に、草笛は北村に抱え込まれ、入って来た電車に飛び込まれされてしまう。
飛び込むとすぐに電車が入って来るのをワン・カットで撮っている。
テクニック好きの川島が撮ったと思うが、どのように撮影したのだろうか。

多分、忍術映画の忍者が消える場面のように、一度飛び込むシーンを撮る。
一旦カメラを止め人がいなくなったところで、電車が入って来るシーンを撮ったのだと思うが、どうだろうか。
さすがにあっと思った瞬間だった。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする