マツケン・サンバの2が出ているそうだ。
だが、マツケン・サンバの基はなんだろうか。
それは、長谷川一夫の「長谷川歌舞伎」の二部の『春夏秋冬』だと思う。
1960年代に、東宝というか、東京宝塚劇場のドル箱だったのが、年2回の「長谷川歌舞伎」だった。
当時、東宝演劇部の担当者だった渡辺保先生によれば、1月と8月の公演は、当日に全席売り切れだったそうだ。だから、この2ヶ月は、宝塚歌劇団は、新宿コマ劇場で公演をしていた。
さて、この長谷川歌舞伎の1部は、芝居で、時代劇も現代劇もあったが、結構面白いものだった。
そして、第二部は、「春夏秋冬」という舞踊ショーで、全員着物姿なのだが、音楽は洋物なのである。
『ビギン・ザ・ビギン』で、全員がセリで上がって来るなどの演出で、最高だった。
この洋物音楽で、日本舞踊を踊るというのは、長谷川一夫が始めたことのなのである。
また、和物の芝居で、ピン・スポットを使って主役を照らすことも、長谷川が地方公演で始めたことなのだそうだ。
彼は、偉大な演出家だったのである。