栃木県足利市の幼女殺人事件で、無期懲役となっていた菅家さんがDNAの再鑑定で釈放された。再審で、いずれ無罪になるだろう。
17年間の受刑は、今後どのように償われても元に戻るものではないが、釈放されたことは勿論良いことである。
そして、改めて思うのは、日本の警察の伝統的捜査手法の問題点である。
従来からの警察の捜査とは、地域への聞き込みであり、警察への通報である。
アジア的村落共同体だった日本では、従来、こうした地域への聞き込みやタレこみを待つことで容易に犯罪者は分かった。
私も何度か横浜市の区役所に勤務していて驚いたのは、地域の人から様々な情報が寄せられることだった。
それは、地域の噂話から政治的な動きまで、様々なレベルの、雑多な人から区役所職員に情報が寄せられるのだ。これには、本当に驚いた。
だから、犯罪が起きたときなど、従来は日本では警察に多数の情報が寄せられてきたに違いない。
「あの事件の犯人は、あいつに違いない。なぜなら、・・・」等々である。
だが、近年の都市化の進展で、地域のつながりや人間関係は急速に失われた。
そこで、警察の犯罪検挙率が急速に低下している。
だから、今こそ科学的捜査が必要なのである。