三木卓という作家・詩人がいる。彼の作品で有名なのは、野村芳太郎が監督した『震える舌』だろう。予告編は見たが、見る気はしなかった。他の方もそうだったようで、この映画は松竹史上、歴史的な不入り作品になったという。
三木はもともとは詩人で、1950年代中頃の彼が参加した『現代詩』からの、出会った詩人たちについての本が、『わが青春の詩人たち』である。
大変興味深い本だが、その中に当時同人誌をやっていたM氏の言葉が紹介されていた。
それは、
「独身女性で詩を書く人は、恋愛すると半分がやめる。そして、結婚するとその半分がやめ、子供ができると、さらにその半分になってしまう」
なかなか含蓄のある言葉だろう。
それだけ女性は、今でも表現活動をすることは難しいということだろう。