非国民から見た高校野球

高校野球が始まった。
高校野球というと、Tさんという大学時代の劇団の先輩を思い出す。
とても変わった人で、無類の酒好き、わずらわしいことが大嫌いで、きちんと4年で大学商学部を卒業したのに普通の企業には就職せず、町場の印刷工場で働いていた。どうやら気を使うのが嫌だったらしい。
学生時代から、プロレスが好きで、東京スポーツの購読者だった。
数年前に定年退職したが、独身で結婚はせず、一人で気楽に暮らしているらしい。
そして、この人が、大の高校野球嫌いなのであった。
学生時代に、その理由を聞くと、
「真面目にやるのが嫌い」とのことだった。
だが、これは確かに一理ある。

純真でも野球一筋でもない半ば不良の連中を、「純真な高校球児」にしてしまうのは、インチキである。
大相撲などより、はるかに堕落した世界だと思うのだ。

今や高校野球こそが、「日本の国技」なので、こういうことを言うのは、非国民なのかもしれないが。

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