『ホームレス中学生』

全く期待せずに見たら、意外にもできは悪くない。
原作は、田村裕のベストセラーで、図書館でも、いまだに多くの貸出がある。
主演は、小池徹平、姉は池脇千鶴、兄は西野という男。
父親はイッセー・尾形、死んでしまった母親は古手川裕子。
話は、夏休みにいきなり自宅が差し押さえになり、一家離散し、ホームレスになる小池が、どのように兄や姉との共同生活を得るかである。
最後は、吉本の芸能学校を卒業しマンザイになる。

映画としては、戦前の『綴方教室』、戦後の1958年の宝塚映画、二木てるみ、頭師孝夫の二大子役対決による『つづり方兄妹』、新東宝末期の『粘土のお面より おかあちゃん』、有馬稲子主演の松竹映画『かあちゃん死ぐのいやだ』等につながる生活綴り方映画である。
20世紀末の貧困のあり方を描いた映画と言えるかもしれない。
やはり実話であることが強みで、オリジナル・シナリオでは、「こんなことあるか」と思えてしまうかもしれないが、なんとなく納得してしまう。

ホームレスになり、飢餓状態になった小池が、母親が生きていたときの幸福な食卓で、湯豆腐を食べさせてもらうところが最高。
こんな美味しそうな湯豆腐を見たことがない。
池脇千鶴は、本当は20代後半だろうが、高校生に見えるのはすごい。本当に芝居が上手いと思う。いばshいばでてくる
監督の古厩智之は、鉄道が好きなのか、背景にしばしば出てくる。

ところで、問題の父親は、今はどうしているのだろうか。
日本映画専門チャンネル

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コメント

  1. SS より:

    Unknown
    「ホームレス中学生」「ウソ」「ねつ造」等々で検索してみて下さい。
    中学生が公園で1ヶ月以上もホームレス生活なんてことは、いくらなんでもありえない。

    TVの特番で「父親と感動の再会」なんてのを放送してましたが、これまたヤラセの噂もw

    池脇に劣らず、小池も中々よい役者ですね。
    NHKドラマでゼネコンの談合担当を演じてましたが、ルックスに似合わぬ骨太の演技で驚きました。
    http://www.nhk.or.jp/nagoya/tekotsu/cast/index.html

    >いばshいばでてくる

    ↑?

  2. さすらい日乗 より:

    誇張はあるでしょうね
    映画でも、主人公の公園でのホームレス生活の期間は、あいまいにされています。
    多分、夏休みの数週間くらいでしょう。
    むしろ、「ホームレス中学生」ではなく、「生活保護兄弟」といったところでしょう、実態を正確に表現すれば。でも、それではインパクトがなくて、ベスト・セラーにならなかったでしょうね。