市会・参事会制

今、日本の各地で、首長と議会との対立が報道されている。
先日、市長選挙が行われた鹿児島の阿久根市を初め、河村市長の名古屋市や、橋下知事の大阪府など。
どれも正直に言って、議会の実態には問題があるとしても、首長側のやりすぎのように思える。

さて、先週の劇団俳小の劇『糞尿譚』でも、市役所の清掃課長が、参事会員で斉藤真さんが演じる友田によって課長補佐に降格されてしまうのがあった。
「こんなことが勝手に出来るのか」事情を知らない観客は疑問に思ったに違いない。
だが、昔はこういうことが出来たのである。

なぜなら、当時は市会・参事会制だったからである。
これは、簡単に言えば、日本の国の議員内閣制のようなものである。
市会議員の内から、有力な議員が市の行政の長になるのである。
例えば、財務、水道、交通、福祉と言った部局の長に議員が就任し、行政を行うのである。
今でもアメリカでは、この制度を取っている地方もあるようだ。
これなら、議会と首長の対立は緩和されるに違いない。
いずれにしても、本来的に言えば、様々な制度が考慮されて良いのだろうと思う。
勿論、地方自治法の改正が必要だが。
個人的には、都道府県、指定市のような大都市では、現在の地方自治制度のような、二元代表制、大統領制で良いと思う。
だが、それ以下の数十万都市程度の規模では、国のような議員内閣制の方が、日本の実態に合っているようにも思える。
地方自治制度も、戦後の施行以来、60年以上を経過したのだから、もっと根本的に考え直されても良いのではないかと思う。

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