本来の形に戻ったのだ

月曜日の東京新聞の「夏の音楽フェス」特集に、CDが1990年代以降売れなくなったが、逆にコンサート、イベントの動員数は増加していることが書かれていた。
1990年頃は、1,500万人だったものが、昨年では2,600万人に増えているとのこと。
本来、音楽は、流行っているものが、初めは楽譜で、後にレコード、ラジオ、映画、さらにテレビ等のメディアで伝達されるようになった。
その中で、流行しているものを作品化するのではなく、流行させるため、売るため作品を作るようになった。
それは、音楽が生まれる場がなくなることでもあった。
だが、音楽だけではないが、何か芸術作品が生まれるには、特定の集団や層が必要である。
音楽の商業化の進展は、そうした場を喪失させることであった。
だが、テレビ、CDで音楽を聞いたものは、本当に感動したなら、実際はどうなのだろうと思うはずだ。
そこで、ライブ、フェスティバルへの参加の要求が出てくる。

それは、例えばテレビの「旅」や「グルメ」番組で、本当にすごいと思ったら、当然行って自分で味わってみたいと思う心理と同じだろう。
やはり、一番の感動は、その現場で体験するものなのだからである。

そして、近年のフェステイバルの特色として、海外と日本のアーティストが同列に扱われていると書かれていた。
そうした音楽のジャンルを越えてすべての音楽を楽しもうというイベントは、1991年に行われたウォーマッド横浜であったことは、言うまでもない。

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