森鴎外について

森鴎外は、明治の大文豪であり、実生活でも陸軍軍医として最高位まで昇りつめたが、医者としての見識には問題もあったようだ。

それは、脚気で、彼は「脚気細菌説」で、兵士の食事の改良には余り熱心ではなかった。そのため、日清・日露戦争では多くの兵士が脚気で死んだ。

脚気の原因がビタミンB1の欠乏であることは、現在は誰でも知っているが、これが欧州にはなく、日本やアジアに多いことから、細菌による風土病とする説もあった。
20世紀に入り、鈴木らによってビタミンB1が発見され脚気はなくなる。
日本の近代化の過程で、脚気は結核と並び最も大変な病気だった。

19歳で東大医学部を卒業した大秀才の森鴎外にも間違いはあったのである。

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コメント

  1. ケンスケ より:

    Unknown

    どうもいつもコメントありがとうございます。
    森鴎外は『阿部一族』『山椒大夫』『舞姫』といった有名どころしか読んだことありませんが、彼の文章は硬くて好きです。
    森鴎外は、たとえば漱石なんかと比べるとかなり権力欲が強かったんでしょうね。間違いとわかっても認めないようなところがあるのかもしれないですね。
    『断腸亭日乗』は長いので読んだこと無いですが、荷風の『墨東綺譚』は、大学二年のときに読みましたが、かなり好きです。ちなみに映画のほうは未見です。

  2. 豊田四郎の『墨東綺譚』は
    豊田四郎は私は大好きな映画監督なのですが、この『墨東綺譚』は余り感心しません。全体にきれいごとで、味わいに乏しい。
    大体豊田は、『甘い汗』や『雁』、『或る女』など零落した女を描くといいので、『墨東綺譚』は、男でしかもインテリの視点なので、彼としては不本意な題材だったと思う。
    なにしろ女が山本富士子で、あの辺にあんなきれいな女はいない、と封切り当時から言われた。

  3. 匿名 より:

    ナ・バ・テア (中公文庫)

    2004年6月25日リリース。『スカイ・クロラ』以前、草薙水素の謎の過去がストーリーの中心である。『スカイ・クロラ』に始まるシリーズは『ナ・バ・テア』、『ダウン・ツ・ヘブン』と続きWEB日記によれば後2冊続刊を出すようだ。まもなく登場するであろう新作短編集『レタ…