本当は川崎市民ミュージアムで森繁特集を見るつもりだったが、いつものクセでフィルム・センターへの京浜急行に乗っていて、すでに蒲田を過ぎている。
携帯で調べると、この映画で「与太者シリーズ」は見たことがないので、見ることにする。
与太者シリーズは、磯野秋雄、阿部正三郎、三井秀男(三井弘次)のトリオで、7作目だそうだ。
話はどうということもないが、全編が体技のアクション喜劇であり、監督の野村浩将もアメリカ映画かぶれとは驚いた。
野村は、後に大ヒットの『愛染かつら』を作る人で、西河克己によれば、蒲田で一番威張っていた組だったそうだ。
それは、ヒット作を連発していたからで、彼と並んでやはり威張っていたのは、清水宏組で、これは勝手に威張っていて、後には誰からも相手にされなくなる。
これには、外人風のルックスの井上雪子がヒロインとして出ているが、高峰秀子も男の子の役で出ている。
彼らが海水浴をする海岸はどこだろうか。
感じとしては、横浜の本牧あたりの気もするが、ケチの松竹がそんなことを許したとは思えない。
蒲田の近くの大森海岸あたりだったのかもしれない。
私は、戦後の昭和28年頃、大井の平和島で海水浴に行ったことがある。
もちろん、水が汚れていて、海水浴場という雰囲気ではなかったが。
サイレントなので、字幕が出るが、時間が短くて読めない。
言うまでもなく活弁が付いたからで、神保町シアターでは、活弁を付けて上映するそうだが、そこまでして見る価値のある映画とは思えない。
フィルムセンター