俳優の長門勇が亡くなった、81歳。
長門勇というと、『三匹の侍』とくるが、なんと言っても忘れられないのは、市川雷蔵主演、池広一夫監督の『ひとり狼』である。
この映画で、彼は雷蔵が演じる、木曽の伊佐蔵という影があり、腕が立ち、女に惚れられる旅人を囲炉裏端で語る役を演じている。
偶然入ったスキヤバシ映画で、これを見たとき、「これはただものではない作品だ」と思った。
池広一夫も多作な人で、今はテレビ映画まで撮っているが、多分これが最高だろう。
この映画、雷蔵や長門の他、小川真由美、新田昌玄、小池朝雄、岩崎加根子、遠藤辰雄、浜村純など名優の演技も光る作品だった。
この中で、今も生きておられるのは、小川と岩崎の女優のみになる。
記憶に残る脇役のご冥福をお祈りしたい。