本日、6月6日夜7時から、代官山のクラブヒルサイドサロンで、『黒澤明の十字架』出版記念のトークイベントを行います。
中では、日本で最初に黒澤映画についての著書『黒沢明の世界』を書かれた映画評論家の佐藤忠男さんをお迎えし、
若手映像作家金子遊さんの司会で、佐藤さんからは、著書を出された時の苦労話などもお聞きします。
佐藤さんは、書くに当たっては、当時は現在のようにビデオはなかったので、フィルムセンターに個人的に費用を払い、見られる作品を全部見たそうです。
その後、小津安二郎論を書くときは、ニューヨークの近代美術館に行き、サイレント時代の作品を見たので、渡航費は自腹だったそうです。
今から見れば隔世の感があり、いかにわれわれは良い時代に生きているかがよくわかります。
拙書『黒澤明の十字架』についても、いろいろなご意見があると思います。
あれは仮説であり、黒澤明作品論であり、彼を対象とするノン・フィクションではありません。
いずれにせよ、そうした広範な議論が起こることが、あの本の趣旨であり、多くの方々のご参加を期待します。