『南国土佐を後にして』

根上淳夫人ペギー・葉山の最大のヒットは、言うまでもなく『南国土佐を後にして』で、これは日活で小林旭主演で映画化され、「渡り鳥シリーズ」の第1作となる。しかし、後のシリーズとは異なり真面目で暗い作品だった。
監督は斉藤武市で、元松竹大船の助監督なので、叙情的な表現にすぐれていた。前の『絶唱』、『名づけてサクラ』などは、抒情的でセンチメンタルな作品である。「渡り鳥シリーズ」の全国の風物や情景を表現がいいのはそのためである。

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コメント

  1. さすらい日乗 より:

    『絶唱』は滝沢英輔だった。
    『絶唱』の監督を斉藤武市のように書いたが、『絶唱』は、斉藤ではなく、滝沢英輔だった。彼も抒情的な作風だった。
    西河克己によれば滝沢は有名な順撮り監督で、カットをすべてシナリオどおりに順番に撮ったそうだ。
    奈良公園の山と下のカットがあった作品で、シナリオ順に上ったり降りたりして撮ったと撮影所の笑い話だったそうだ。